私は、このリフォーム・リノベーションの仕事を10年以上していますが、とてもやりがいを感じています。
やりがいを求めている人には、とてもおススメな仕事です。
どんな仕事かといいますと、「お客さん自身ができないことを代わりに実現させる仕事」です。
具体的には、お客さんが住んでいる(住もうとしている)家をお客さんが望むカタチ(イメージしているモノと使い勝手)に造り変える仕事です。
巷では、「リフォーム=簡単・お手軽」というイメージかもしれませんが、私は非常に難しい仕事だと感じております。
私の勤めている会社でも、転職してくる人はそこそこいますが、長くは続かず辞めていってしまいます。
上からな感じになりますが、私から見る限り、向いていないとしか言えません。
※うちの会社はそんなにブラックな会社ではなく、限りなくホワイトに近いですけど…。
そんなリフォーム・リノベーションの仕事は実際どうなのか?を記事にしてみました。転職を考えておられる方必見であります。
1.仕事内容
リフォーム・リノベーションが何なのかは、皆さまご存じの通りだと存じます。現存している建物をなおす工事です。
具体的には以下の仕事に分かれます。
1.営業 … お客さんとの窓口、要望の聞き取りやプランの説明、進行役みたいなもの
2.設計 … 計画をたてる人、図面作成
3.積算 … 工事に必要な材料や手間を数えて、見積もりを作成
4.施工管理 … 工事中の現場を仕切る人、業者の手配や材料の発注なども行う
5.アフターフォロー … 工事後のメンテナンスや点検を行う
会社によって、この内容を全部ひとりで行ったり、それぞれ分業でやったりします。
私の場合は、全部ひとりで行うパターンです。お客さんにとっては、常に決まった人に話をすればよいので負担が少ないです。こちらの負担は大きくなりますが…。
基本的な流れは、新築工事とほぼ同じです。
2.仕事の難易度とやりがい
前章で書きました、それぞれの役割ごとの難易度とやりがいをまとめていきます。
1.営業の難易度とやりがい
おそらくこの営業が最も難易度が高く、その分面白くてやりがいが大きいです。
特に難しいのは、お客さんの要望を完全にしっかり聞き出すことです。
お客さんは建築に関して素人ですので、自分が思っていることをうまく伝えることができません。それを上手に聞き出し、理解する力が必要です。
それができなければ、お客さんは他の会社に行ってしまいます。運よく受注できたとしても、お客さんの満足度は低くなり、最悪クレームを頂くことになります。
逆にそれが上手くできて、お客さんが思うような提案だったり、工事ができたら大喜びしてくれます。まさにこれが最高のやりがいになります。
営業は、明るく元気な人が向いているイメージですが、そんなことはありません。物静かな人でも、とにかく誠実であれば、お客さんからの信頼が得れれますので、結果的に受注に結び付きます。
リフォームやリノベーションの営業は、勢いだけでは務まりません。いかにお客さんの要望に答えられるかが重要です。そのためには経験や知識が多くなければならないでしょう。
2.設計の難易度とやりがい
設計は、それぞれの会社によって仕事の範囲や内容が変わります。
営業が聞いてきた内容をもとに設計する会社もあれば、直接お客さんから聞き取りして設計する会社、営業と設計は同じ人が一人でやる会社など様々です。
いずれにしても仕事の内容は、お客さんの要望をもとに計画をたてて設計図を作ることです。
難易度は高めです。
ある程度、リフォームやリノベーションの営業や現場管理の経験がないとまともなプランは作れません。
さらに、法的な知識や水回り商材などの知識も不可欠です。
他業種からの経験や知識が全くない人が転職で設計をやるのは無理でしょう。
やりがいに関しては、直接お客さんとやり取りをしているのであれば、営業に匹敵するぐらいの面白さがあるでしょう。
図面だけを書いている人は、達成感はあるかもしれませんが、やりがいがあるとまでは言えないです。
3.積算の難易度とやりがい
リフォーム・リノベーションの会社で積算だけ専門でやるというパターンはほぼないでしょう。
大抵は、設計とセットだと思います。
積算は設計と同じく経験と知識がないとできません。なので難易度は高めです。
材料の数量などを間違えるととんでもない損害が出ることがありますが、大体営業か設計が気が付くでしょう。
言うまでもなく、やりがいは少ないです。個人的な感想です。
4.施工管理の難易度とやりがい
リフォーム・リノベーションは新築とは違い、イレギュラーがつきものです。新築のようにほっといても慣れた職人さんが仕事をしていくということはありません。
現場ごとに収まりや工程が異なりますので、それを管理し、まとめなければなりません。知識と経験が必要となりますので、営業に次いで難易度は高いです。
毎回工事内容が変わっていきますので、飽きることもなく、思い通りに工事が進めば楽しいです。やりがいは大きいといってよいでしょう。
5.アフターフォロー
会社の規模によっては、メンテナンスや点検などのアフターフォローだけを行う部署もあるでしょう。その場合は、マニュアル通りの対応をすればよいので、難易度は低く、やりがいも小さいと思います。
しかし、営業がアフターフォローまで行うとすれば、工事中のエピソードトークなどで盛り上がり、楽しくて明日への活力になるかもしれません。
3.新築と比べると…
リフォーム・リノベーションと新築を仕事の内容で比べるとどうなのか。
難易度の点から考えてみます。
新築といっても分譲住宅なのか、規格の住宅なのか、または注文住宅なのか。それによっても難易度は変わってきます。しかし、そこまで大きな差はないと私は思います。
土地の大きさはありますが、その他はこれから決めて作るので自由度が高いです。さらに基本的な流れや工事内容は、変わることがないので一度覚えてしまえばそれほど難しい事ではありません。
一方、リフォーム・リノベーションは、物件ごとに内容が違ってきます。ですので、経験と知識をフルに生かさなくてはなりません。
さらに、建物は既に建っていて寸法も決まっています。耐震性も考えなくてはならないため、めちゃくちゃな事はできません。この制限の中、どうやってお客さんの要望に答えるか…
断然、リフォーム・リノベーションの方が難しいです。
やりがいに関しては、やはりリフォーム・リノベーションの方が大きいと思います。
新築には新築の面白さがあるかもしれませんが、リフォーム・リノベーションの面白さには勝てません。
リフォーム・リノベーションの仕事は、いろんな場面で面白さや喜び、達成感を感じることができます。
例えば、設計段階で試行錯誤していたモノが、現場できれいに収まったりしたら…最高です。
例えば、引き渡しの時にお客さんに「想像以上の仕上がりだ」といってもらえたら…。引き渡し後に「使いやすくなった」「ありがとう」といってもらえたら…。
最高に面白い仕事と言えるでしょう。
4.収入的にはどうか
収入は、会社のシステムや役職、職種によって大幅に違います。
営業で歩合制の会社であれば、年収1000万越えも可能です。かなりのやり手でないとそうはなりませんが…。
大抵は、年収350万~800万程度ではないでしょうか。
経験や知識がないと仕事になりませんので、未経験であれば底辺からのスタートです。経験を積んでスキルが上がってくれば、収入もちゃんと上がっていきます。
収入が上がらない場合は、会社がブラックか、自分に才能がないかのどちらかです。いずれにしても転職したほうがよいでしょう。
5.まとめ
まとめると、リフォーム・リノベーションの仕事はなかなか難しいです。経験と知識がないとできません。
しかし、やりがいはかなり大きいです。出来るようになれば面白いです。
収入面は、物凄く稼げる仕事ではないです。
仕事をカネを稼ぐ手段と考えてる人にはおススメできません。仕事を楽しみたい、人を喜ばせたい人には最高のステージです。
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