こういう話を聞いたことはないでしょうか?「リフォーム・リノベーションの見積もりは最低3社取りましょう」。なんでそんなめんどくさい事しないといけないの?と思う人も多いでしょう。しかし、これはとても重要なことなのです。
例えば、トイレのリフォーム工事を依頼したとします。3社に依頼したとしましょう。見積もりが出てきました。
A社 … 10万円 B社 … 16万 C社 … 30万
「なんじゃこりゃ!?」となりますよね。同じ内容の見積もりをお願いしたはずなのに全く違う金額が…なんで?C社はぼったくりだな。じゃあ一番安いA社でお願いしよう。…となる前に、なんでこんなに金額が違うのかを考えたほうが良いでしょう。それが失敗しないための第一歩です。
まず、A社の場合。単純に便器だけ交換する見積もりを出してきたようです。「トイレきれいになったでしょ?」とのことです。
続いて、B社。便器だけの交換ではなく、壁紙や床の貼り替えも行う見積もりです。「せっかく便器外すんだから、壁も床もきれいになった方がいいでしょ?」と言っております。
最後のC社。築年数から配管の腐食があると推測し、床をめくり配管からやりかえ、さらにヒートショックが心配なので、窓を2重にして断熱性を高める内窓を取付、老後のことも考えて手すりの取り付けも見積もりに入ってます。「せっかくやるなら長く快適に使ってほしいですから。」と照れながら言ってます。
どうでしょう。C社はちょっとやりすぎな感じがしますが…。トイレのリフォームというだけで、これだけ内容と金額に差が出てしまいます。3社に見積もり依頼したことで、1社だけではわからなかった情報をこんなに手に入れることができました。
このように、多数の業者で見積もりすることで、金額だけでなく様々な情報が手に入ります。そして、それぞれの業者の特徴やその担当者の性格などもわかってきます。ですので、1社だけではなく、数社に相談・見積もりを依頼してみてください。
では、数多ある業者の中でどこに依頼したらよいのか?その答えを導き出すには、それぞれの業者の特徴を知る必要があります。そして、あなたの望むリフォーム・リノベーションができる業者を選ばなければなりません。
主なリフォーム・リノベーション業者とその特徴
1.家電量販店・ホームセンター
キッチンの取替、ユニットバスの交換、トイレの交換など。部分的なリフォームを取り扱っています。工事費用がわかりやすいパックプランがあり、10年保証などが付く場合もあります。
建築士事務所登録や建設業の許可を有していないため、大規模なリフォームやリノベーションの工事はしていません。
ちょっとしたリフォームを手早くやりたい。工事費用を抑えたい人にお勧めです。
2.ガス会社などのリフォーム店
もともとガスコンロやガス給湯機など取り扱いがあるため、水回りのリフォームをメインに営業されていることが多いです。
ガス器具の交換や水回りリフォームを、工事費用を抑えてやりたい人にお勧めです。
3.ハウスメーカー系
ハウスメーカーは、自社物件のメンテナンスなどもあるため、リフォーム業もやっています。
増改築やリノベーション、リフォーム工事まで、大規模から小規模まですべて取り扱っている場合が多いです。
ご自宅がハウスメーカーで建てられたものであるならば、同系列の会社に声をかけてみるのも良いかもしれません。
金額的には大手という所もあり、なかなか高いです。それでも大手が安心だと思うのであれば仕方がないでしょう。
私がたまに聞く話では、ハウスメーカーの営業さんが「うちの会社でしかリフォームできない。」とか「うちの会社にしかその部材がない。」とか「うちでやらないと保証ができない。」と言っていたとのことです。
本当にそうなのか?別のリフォーム業者さんにも聞いてみたほうがいいですよ。確認のために。
4.リフォーム・リノベーションの専門店
ここでいう専門店とは、新築をやっていない業者という意味です。語弊がないように言いますと、リフォーム・リノベーションは、新築に比べて非常に難しいです。新築ができないのではなく、やらないということです。
建築士事務所登録や建設業の許可を有しているところであれば、増改築やリノベーション、リフォーム工事まで、大規模から小規模まですべて取り扱っています。
どこに相談したらよいかわからない場合は、まずここに相談してみると良いでしょう。
専門店とひとくくりにしましたが、それぞれの会社によって得意不得意がありますし、金額もバラツキがあります。感覚的には、家電量販店などよりは少し高いが、ハウスメーカー系よりは全然安いという印象です。
5.工務店
基本的には、設計士の作るプランに従って工事を行う会社ですが、自社設計でリフォームやリノベーションの工事を請け負う会社もあります。
建設業の許可を有してますので、増改築やリノベーション、リフォーム工事まで、大規模から小規模まで行うことができます。
がっつりリフォーム・リノベーションをやっているところも、少しかじっている程度の会社も同じように「やってます!」となってることが多いので、しっかり実績を確認して依頼しましょう。
金額的には、直接工事業者になるのでお値打ちな場合が多いです。
6.設計事務所
設計事務所もいろいろな分野がありますので、リフォーム・リノベーションをやっている所に声を掛けてください。
当然、建築士事務所登録をしてますので、増改築やリノベーション、リフォーム工事まで、大規模から小規模まで設計できます。
設計士が提携している工務店などがある場合は、工事もそのままお願いできます。
その設計士の「色」が出やすいので、個性的になることもあります。
また、設計士が現場の監理もする場合もありますので、その場合、安心感があるでしょう。
費用的には、設計士が入りますと設計費、現場の監理もお願いすると監理費が発生しますので、その分高くなるかもしれません。
7.塗装専門店や白蟻専門店
ひとつの工程を専門で行う業者です。
それだけに特化してやっていますので、費用的には抑えられる傾向にあります。
塗装でいえば、10年保証などを売りにしていますが、それが塗料メーカーの保証なのか?自社保証なのか?その辺は確認しておいたほうが良いでしょう。
自社保証であれば、その会社が潰れた場合、保証書はただの紙切れです。
まとめ
リフォーム・リノベーションの業者といっても、様々な種類があり、それぞれ特徴が違います。
そもそも、くるまは車種とグレードが同じであれば、安ければ安いだけうれしいですが、同じようにはいきません。リフォーム・リノベーションは全く同じように頼んだはずなのに、全く違うプランや見積もり、違う仕上がりになってしまいます。
選ぶのはとても難しい事です。
まずはこれらの業者の特徴から、あなたの望むリフォーム・リノベーションができそうな業者を選びましょう。無理に一つに絞る必要はありません。とりあえず、3社程度が良いでしょう。
多すぎると相談や見積もり依頼、さらにそれを比較するのが大変です。3社と話を進めてみて、何となくシックリこないようであれば、さらにもう1社。という進め方が良いでしょう。
この業者選びに成功しなければ、すべてが台無しになりかねないです。
妥協せずに、「ここに任せれば間違いない」と思えるような会社を選んでいただきたいです。
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