業者によって全然違う!?リフォーム・リノベーションの見積金額

リフォーム・リノベーション

「リフォーム・リノベーションの見積、3社取ってみたよ。でも3社とも全然金額違うんですけど…。どういうこと!?」というのはよくある話です。

リフォーム・リノベーションの相場を調べてもこんな感じが多いでしょう。トイレ工事 10万~30万 など。「10万と30万じゃ全然違うじゃん。」とか。

なぜそんなことが起こるのか。不思議ですよね。今回はその謎に迫っていきたいと思います。

わたしは見積する側の人間ですので、他社の見積をじっくり見ることはそんなにありません。しかし、お客様から見せて頂くことがあります。その辺の経験から謎を解いていきましょう。

1.見積の仕組みを知ろう

まずは、見積もりの仕組みと内容を確認していこう。

最初に、パックプランと呼ばれるリフォームの見積の話。少し特殊なので一般的な見積と分けて説明します。

例えばユニットバス交換工事をするとします。その場合、パックプランでいくと決められた商品(ユニットバス)の中から選べば、工事費込みでこのお値段です。と、コミコミの金額が決まっているパターンです。

ですので、何にいくらかかっているのかなど詳細は分かりません。しかし、瞬時に金額がわかるというメリットがあります。

比較的単純な工事。トイレ・洗面所・ユニットバス・キッチンなどで、こういう手法の金額の出し方をする業者があります。

選べる商品を限定することで大量仕入れを実現し、一律の金額を設定することで見積もりする手間を省いています。そうすることでコストを削減して、見積もり価格を下げています

このやり方がいいかどうかは、受け取りて、つまりお客さんの判断になります。あえてデメリットをあげるとすれば、選べるものが決まっていること。簡単な現場も大変な現場も金額が同じなので、自分のおうちが簡単だった場合、ちょっと損した気分になる。大変な現場もしっかりやってくれるのか心配。

メリットは、見積金額がすぐにわかる。工事までの道のりが短いので早く工事ができる。

 

ここからは、一般的なリフォーム・リノベーションの見積の話です。

見積書は基本的に下の計算式で成り立っています。

材料費 + 作業手間費 + 処分費 + 諸経費 = 工事金額

材料はキッチンなどの設備機器、ドアなどの建材、柱などの木材です。

作業手間は大工さんの造作、設備機器などの取付や組立などです。

処分費は、解体して出たゴミや工事で出た残材を捨てる費用。

諸経費は、現場監理にかかる費用。現場監督の人件費、交通費や工事保険などです。

そして、この4つの項目の中にひっそりと利益を入れ込んでいるわけです。

実際の見積書は、これが複雑になっていて、わかりにくくなっています。わかりにくくしている業者もあります。工事の内容によっては、材料と手間を一緒にしてしまう場合もあります。

例えば、ブロック積工事 一式 〇〇 とか クロス貼り替え工事 〇〇㎡ 〇〇 など。

「一式ってなんだよっ!」と思うかもしれませんが、見積もりする側にも理由があってやっています。手を抜いているわけではありません。例えば、工事の数量が少ない場合などに使います。ブロックを2メートル一段だけ積む工事などの場合です。

これを材料一つずつ書いていってもいいですが…。そこに興味あります?そこは重要じゃないですよね?ということです。何でもかんでも一式で出すのは大問題ですが、重要でない所は省くことがあります。

2.安い理由を知ろう

見積の仕組みが分かったところで、見積金額の安い理由に迫ります。どこを削減して安くしているかに着目して説明していきます。

1.材料費を削減

前章のパックプランのような工夫です。

正しく材料費を抑える方法。 大量仕入れによって仕入れ値を下げる。問屋さんに一生懸命交渉をして仕入れ値を下げる。材料を一元化し、どの現場でも使えるようにしてロスを失くす。

良くない材料費の抑え方。 必要な数量より少ない材料で工事する。品質基準を満たさない安い材料を使う。

正しいやり方で材料費を抑えていれば企業努力です。品質に問題はありません。

どうして材料費が安いのか?業者に確認してみると良いでしょう。

注意点としましては、キッチンなど金額を比較しやすいものは金額を下げている場合があります。他の項目にその分を盛っている場合もあります。

2.作業手間費を削減

普通に考えて、作業手間を削減するのはむずかしいし、望ましくありません。新築で決まった商品であれば、スムーズに作業できるので手間を削減できることがあると思いますが。

リフォームに関していえば、そうとも言い切れないです。スムーズに上手に仕事する職人さんは、安くなるどころかむしろ高くなります。

仕組みとしてはこんな感じです。あまり上手じゃない職人さんは仕事が減ります。呼ばれなくなりますので…。仕事が減るとどんなに安い金額でも仕事を受けます。ということは、安い=上手ではない。とういうことになります。すべてがそうではないですが。

作業手間に関していえば、極端に安い場合は要注意です。

他の可能性を考えるならば、工事の内容が他社とは違うかもしれません

3.処分費を削減

処分費を安くするということは、不法投棄する…ということではありません。ゴミを処分する料金自体は大きく抑えることはできません。

金額が極端に安い場合は、工事の内容に違いがあるはずです。例えば、床のフローリング貼り工事。元々の床を壊して造り変えるのと、元々の床の上にフローリングを重ねて貼るのであれば、全然処分費が変わってしまいます。

どういうやり方で工事をするか?確認してみましょう。

4.諸経費を削減

この諸経費は、大体相場が決まっています。工事費の10%~15%程度が多いと思います。

他社と比べて安い場合は、諸経費以外の項目に金額を乗せているかもしれません。悪い事ではありません。

5.経費削減

見積書に経費という項目はありません。工事には関係ない費用になりますので。しかし、当然その費用も見積に含まれております。それぞれの項目にちゃんと入っているはずです。

ですので経費削減で安くなった分は、全体的に反映されてトータル的に安くなります。

企業努力による良い経費削減。 事務的な作業効率を上げて人件費を抑える。口コミや紹介で顧客が増えている場合、広告宣伝費を削減できる。

悪い経費削減方法。 必要な保険に入らない。現場の監理をしない(職人任せ)。そもそも工事は丸投げ。

ホームページなどに安さの理由とか仕組みの説明があって、納得できれば良いと思います。なぜかよくわからないけど安いというのはよくありません。

6.見積作成者のミス

私もたまにやらかします。ほんと~に!たまのたまにです。人間誰だってミスする事ってありますよね。数量を間違えてしまったり。自分で作っていて、すげぇ安いなって…。

そういうこともあります。

 

見積金額が安い理由は主に3つです。

企業努力で安い・工事のやり方の違いで安い・質を落としていて安い

企業努力で安い場合は問題ありません。工事のやり方が違うかどうかは、工事内容・やり方などしっかり確認する必要があります。同じやり方で見積しなおしてもらって、比べたら金額が逆転することもありますから。

質が悪くてよければ安くやるのは簡単です。適当に安い職人さんと安い材料を現場に入れて、「それなりにやっといてくれ。」で、現場に行かなければ出来上がりです。クレームも適当に「ハイハイ」言って、時が経ってお客さんがあきらめれば終わりです。そういう業者もいますので気を付けてくださいね

3.高い理由を知ろう

今度は見積が高い理由です。

基本的には、前章の安い理由の反対の理由で高い場合が多いです。

1.大企業の場合、経費が多く掛るため

会社が大きくなると、経費が多く掛りますよね。人も増えますし。その分売り上げないといけませんので、広告宣伝費なども膨らみます。その分の金額が見積書にも反映されます。結果、高い見積になるということです。

2.工事内容・やり方の違い

安い理由にも書いていますが、根本的な工事内容や工事のやり方が違うということも多いです。わざと高くしているわけではないと思います。その見積作成者が、一番いいと思うやり方で作っているかもしれません。

安く済ませる方法もありますが、長く快適に使ってもらうためには、安くない違う方法を提案することもあるのです。そのほうが、長い目で見たら安いからです。

3.良い職人を使うため

質の高い工事をするためには、良い職人さんを使う必要があります。良い職人さんは人気があるので、高いです。しかし、その価値はあります。余るほどに。仕上がりが全然違いますから。

ここをケチる意味はないと思います。

4.良いサービスを提供するため

良いものを作るためには手間がかかります。それは、現場監理だけの話ではありません。打合せもそうですし、プランや見積だって同じです。

残念ながら、ボランティアで働いてるわけではありませんので、そのサービスに見合った費用は見積書に反映されます。しかし、その分良いものができ、良い対応を受けられますので納得できると思います。

5.ぼったくり

これだけ相見積もり(複数社から見積もりを取る事)が浸透しているので、ほぼほぼないといってよいでしょう。しかし、訪問販売や電話での勧誘などは別です。まだやってます。気を付けてください。

ぼったくりとはちょっと違いますが、『お断り見積もりは存在します。どういうものかというと、通常の見積金額よりもだいぶ高い金額を提示して、お客さんの方から断ってもらう方法です。

どんな時に使うかというと、工事が小規模すぎて採算が合わない場合や、ちょっと危険な香りがするお客さんに出します。

わたしは、ほとんど出したことないですけど…。

 

見積が高い主な理由はこれです。

大企業で経費が多くかかるため・工事のやり方の違いで高い・質の高い工事をするため

質は落としたくないですよね。これを高いと言われてしまうと建築業界はどんどん衰退していきます。

4.まとめ

私がこのリフォーム・リノベーションの仕事をしていて思う、一番の見積もりの金額の差の原因は、工事のやり方の違いだと思います。同じ内容で頼んだつもりでも、業者、というか人によってとらえ方が違います。

結果的に違う内容の見積もりが出てきてしまうわけです。でもお客様は大抵気が付きません。ですので、金額だけ比べるのではなく、工事内容・やり方もキッチリ確認してみてください。

企業努力で出来るだけ安く、品質も落とさずに頑張っている業者もいっぱいいます。その反面、適当にやっていて低品質で安い業者もいるのです。

当然、品質を高く保つために高くなる業者もあれば、品質に関係なく高い業者もいます。

ひとくくりで安い・高いとしてしまうと損してしまうので、気を付けてくださいね。良い業者に出会えるようお祈り申し上げます。

 

 

 

 

 

 

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